特別養護老人ホーム三愛荘事故防止に関する指針
1.当施設における事故防止の考え方
事故防止とは、高齢化・重度化し、その身体機能の低下・理解力低下により生活支援が必要となる中で、安心・安全に、その方らしく生活出来る事を目的として援助することであり、ご利用者の尊厳に十分配慮しながら、現有機能の活用をしながら介護し、事故を未然に防ぐことである。
2.事故防止の視点
事故防止については、その重要性をどのように受け止めるかという個々の価値観と、身体拘束との関わりが存在し、その方らしい生活を優先しながら安心・安全に配慮することが大切である。
施設での事故防止は、馴染みの関係の中でその方らしい生活を、個々に応じた空間で過ごしながら、安心・安全ばかりを追求し、生活に制限される事無く生活出来る様、気配り・心配りをする事であり、施設はご利用者またはご家族に対し以下の確認を事前に行い理解を得る。
施設における事故防止の理解(日中は、介護・看護職員共に職員が配置できるが、
早朝・夜間は少人数となり、深夜は3名体制になる等)。
その方らしい生活を支援する為に、現有機能を活用すること。
事故防止に努めたが、事故が発生した時には、家族連絡を確保すること。
状態の変化などで、対応が変われば家族の同意を得ること。
3.事故防止の具体的支援内容
1)ご利用者に対する具体的支援
①身体・精神状態把握・確認
・身体機能の把握 ・精神状態の把握 ・状態変化の把握 ・安全・安心への配慮
・現有機能の活用 ・機能訓練の実施
②メンタルケア
・コミュニケーションを重視する ・プライバシーへの配慮を行なう
・全てを受容してニーズに沿う態度で接する
2)環境整備
・危険箇所の把握 ・危険物の把握 ・危険場面の想定・把握
3)ご家族に対する対応
・事故防止に対する取り組みへの理解を求める ・事故発生時の対応説明
4.事故防止の具体的方法
1)記録の徹底・活用
ご利用者の日常生活の状況については、個人記録に残すと共に、各種日誌・会議録・報告書等により職員間で情報共有し、事故防止に繋げる。
また、危険場面があれば詳細を記録すると共に、検証し事故に繋がらないよう職員に徹底する。
2)職員の意識
ご利用者の状態把握に努め、常に危険の予測と把握を意識し、その情報を職員間で共有する。
また、ご利用者の状態に変化があったときの伝達・把握を行い、職員間のコミュニケーションを密にし、互いに確認・指示・指摘を行い事故を未然に防ぐ。
3)連携
同職種(介護職員同士等)及び他職種(介護職員と栄養士、看護師と介護職員等)の連絡・連携を密にすると共に、医師との情報交換を密にし、連携を図る。
また、ご家族からも出来るだけ情報を得ると共に、施設での状況を報告し、身体面・精神面の現状を理解してもらうこととする。
4)事故防止の実施
① ご利用者のその方らしい生活を支援する為、介護支援専門員は医師・看護職員・介護職員・栄養士等と協働して計画を作成する中で、現有機能の活用をすすめる上で、機能訓練の必要性とその内容について明確化する。ご利用者またはご家族への説明に際し事前に作成しておき、その際に同意を得る。
② 事故防止をすすめるにあたっては、事故の発生を無くす為の身体拘束を行うものではない。
③ ご利用者の身体・精神状態については、看護師・介護職員、必要に応じて医師から定期的に、ご家族に連絡し連携を図ること。
④ 施設の全職員は、ご利用者が尊厳を持つひとりの人間として、安心・安全な生活ができるように、ご利用者またはご家族の支えとなり得る身体的・精神的支援に努めること。
5.職員の資質向上について
1)委員会の実施
定期的(3か月1回)に事故防止委員会を実施し、介護事故等の発生原因、結果等を取りまとめ、有効な防止策を検討し、その内容を職員に周知した上で実施する。また、防止策の有効性については看護職、リーダー、夜勤者等が中心となり観察を行い、有効性が認められない場合には、再度、事故防止委員会にて検討する。
2)ヒヤリハット報告
全職員が事故防止を意識し、危険場所・危険場面等に遭遇した時には、報告書を記入し、朝礼にて連絡することで情報共有する。
3)目配り・気配りの実践
職員一人ひとりが、ご利用者の生活を支援している事を意識すると共に、その安全確保の鍵を握っている事を互いに確認し、ご利用者の状態を把握すべく、報告・連絡・相談を徹底する。
目配り・気配りを実践することにより事故防止に繋がる。
4)事故防止に関する内容についての研修を年2回以上実施する。
6.利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
①この指針は利用者の求めに応じて、いつでも施設内にて閲覧できるように掲示するとともに、ホームページ上に公表し、いつでも利用者及び家族が閲覧できるようにする。